夏バテ・夏冷え予防に!
味噌をつかった薬膳レシピ
二十四節気:立秋(りっしゅう)…8月7~17日頃
初候:涼風至(すずかぜいたる)…8月7日頃
次候:寒蝉鳴(ひぐらしなく)…8月12日頃
末候:蒙霧升降(ふかききりまとう)…8月17日頃
まだまだ残暑の厳しい日が続きますが、暦では秋の始まりです。
ふとした時に吹く風に、秋の訪れを感じますね。
この頃の私たちの身体は夏バテや夏冷え、治りが悪い夏風邪などの症状が出始める頃です。
薬食同源を伝える薬膳では、自然の効能が宿る食材でつくった食事は自然と元気を発動させると考えます。
そこで、今回は「味噌」。
原料は大豆や米・麦などで、栄養価が高く良質なたんぱく質や食物繊維、ビタミン、ミネラルなど、さまざまな栄養素を含んでいます。
そんな日本の発酵食材に薬膳食材や身近な乾物をプラスした「味噌キューブ」や万能味噌とそのアレンジレシピをご紹介します。
夏野菜
麦味噌 赤味噌 白味噌
季節の食材
豚肉
■補気(気を補うもの)
■滋陰(潤いを補うもの)
ビタミンB1の配合量が多く、疲労回復に効果的な食材です。
豚肉(左右にあるのは、豚肉と相性の良い食材:キノコ類と生姜)
身近な野草
「ヤブカンゾウ」「金針菜」
ユリ科のワスレグサ属。貧血の特効薬とも言われ、鉄分はほうれん草の20倍。血の巡りをよくしてくれる効果があります。
別名「忘憂草(ぼうゆうそう)」。メラトニン物質が多く含まれることから、憂鬱なことを忘れさせてくれる快眠食材と言われています。つぼみを乾燥させたものが金針菜です。
※ ヤブカンゾウ
※ 金針菜
夏の身体を作る薬膳味噌キューブ
味噌キューブのバリエーション例
左・・・・・・・・・白味噌・クコの実・ナツメ・わかめ・ネギ・柚子皮
左から 2番目 ・・・・白味噌・じゃこ・ナツメ・金針菜・糸寒天・柚子皮
右から 2番目 ・・・・赤味噌(合わせでも可)・鶏ひき肉・胡麻・椎茸・オクラ・トマトケチャップ
右・・・・・・・・・合わせ味噌・ニンニク・粉鰹節・ゴマ油
◆ 材料(基本の味噌キューブ5個分)◆
・お好きな味噌・・・・・・・・・・50g
・生姜みじん切り・・・・・・・・・お好みの量(チューブの生姜でも可能)
・粉鰹節(粉末だしでも可)・・・・5g
・乾物や薬味(ねぎ、大葉、ミョウガなど)お好みで
◆ つくり方 ◆
① 広げたラップ(23cm四方)の上に、味噌10gを置く。
② 粉鰹節とお好みの乾物・薬味などを入れてラップを閉じ、冷凍庫へ。
食べるときは、少し前にキューブを冷凍庫から器に出しておき、熱いお湯(キューブ1個につき160~180cc)を注いでよく混ぜる。
ポイント
お湯を注ぐだけで簡単に味噌汁が作れる。
1食分ごとに冷蔵、冷凍保存が可能。
冷凍すれば約1ヶ月の長期保存ができる。
ニンニクをプラスしてパワーアップ!
豚肉の味噌炒め
◆ 材料(2人前)◆
・基本の味噌キューブ・・・・・2個分
・ニンニクのみじん切り・・・・お好みの量
・ゴマ油・・・・・・・・・・・小さじ1
・食べやすく切った豚肉・・・・100g
※味噌の種類や好みに応じて、調味料の分量は調節してください。
◆ つくり方 ◆
① 材料をすべてボールに入れ、よく混ぜたあと、10分程冷蔵庫で寝かせる。
② フライパン(弱火)で、①を火が通るまで炒める。添え物には、ソテーした夏野菜や山椒・山椒の実などがお勧めです。
夏に食べたい 味噌入り和風夏カレー
◆ 材料(2人前)◆
・万能味噌・・・・・・・・・10~20g
・お好みのカレールー・・・・1カケ(市販のパッケージ裏に記載の分量に合わせる)
・水・・・・・・・・・・・・(市販のパッケージ裏に記載の分量に合わせる)
・合挽ミンチ肉・・・・・・・40g
・白飯・・・・・・・・・・・お好みの量
・お好みの野菜
◆ つくり方 ◆
① ご飯を2人分炊いておく。
② フライパンなどで合挽ミンチ肉を炒める。
③ ②で炒めた時に出た余分な脂を取りのぞき、味噌・ルー・水を入れ、焦げないように煮込む。
④ 器に①を入れて③をかけ、フレッシュな夏の野菜を添える。
撮影/水野真澄(※を除く)
監修/食と暮らし方のエコノミスト
岩本 節子 Setsuko Iwamoto
薬膳サロン船七.com代表 国際中医薬膳管理師 予防薬膳専門家
多種多品目の食材をバランスよく食べることで健康寿命を延ばす、家族のための予防薬膳教室を、地元である大東市住道(大阪)で開催。
大和当帰の栽培、薬膳素材を使ったスープや当帰の調味料などの開発を行っている。