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ヨモギで春の
冷え症・肩こり・疲労対策

日本には四季があり旬を迎える食材は、その時期におこりやすいトラブルを自然に解消してくれると言われます。中でも春の食材には、大地からの恵みが多く含まれています。
 
春は、温かい日差しに誘われハイキングやお散歩など外出する機会も多くなりますね。足元にはノビルやナズナ、ヨモギなど、春を知らせる植物に出会うことでしょう。今回は、その中の1つ、ヨモギを使って簡単美味しいレシピをご紹介します。
 
草餅やお灸のもぐさとしても知られるヨモギは、古くから食用だけでなく、漢方では「艾葉(ガイヨウ)」と呼ばれ、血液の循環を促進し動脈硬化や血圧を安定へと導き、また防虫、防菌効果も優れています。

季節の食材
蓬・艾(ヨモギ)

 
キク科ヨモギ属/散寒薬(さんかんやく)
効能:冷え、疲労、造血、食欲不振、収れん、止血、鎮痛、抗菌、血行促進、女性の不調、生理痛、頭痛、湿疹


[副作用や注意点]
ヨモギは体質によってはアレルギーが出る場合があります。 キク科のアレルギーをお持ちの場合は経口摂取は厳禁です。
ヨモギの服用は136gが目安です。
 
〈野草を摘む時のご注意〉
土地の所有者の確認。通りの多い所、公園内の薬剤散布、犬の散歩道など、安全と言えない場所にある野草。また、毒草が紛れていないかなどに十分気をつけてください。

Recipe1
ヨモギのジェノベーゼ

◆ 材料(1人前)◆

・下処理をしたヨモギ・・・・ひと握り(10g程度)
乾燥ヨモギパウダーを使う場合は、3gほどのパウダーを大さじ2の湯で戻す。
・ニンニク・・・・・・・・・1/4
・オリーブオイル・・・・・・お好みの量
・塩コショウ・・・・・・・・各ひとつまみ
 

◆ つくり方 ◆

ヨモギを刻み、すり鉢かフードプロセッサーなどでペーストにする。(乾燥パウダーを戻したものは、そのまま使用)
みじん切りしたニンニクを①に入れる。
②にオリーブオイルと塩コショウを加え、全体を混ぜ合わせる。

作り置き可能なヨモギのジェノベーゼは、バケットにぬったり、ミネストローネに混ぜたりと、普段使いに重宝します。

ちょこっとメモ
ヨモギの食物繊維は、ホウレンソウの約3倍。食物繊維よりも小さなサイズのクロロフィルが、小腸の細かいところまで入り込んで有害物質などを排出するという働きをしてくれます。そのため、デトックス効果や美肌効果が期待できます。

◆ 下処理のポイント ◆

使用するのは新芽、茎、葉。ヨモギは灰汁が強いので、必ず茹で水に晒す下処理が必要です。
 
ボールなどに、水やお湯(目安として50℃)を入れ、ヨモギの土や汚れを落とす。
①の中で新芽、やわらかい葉茎、硬い葉茎に仕分けをする。
②の新芽と硬い部分を除き、沸騰させたお湯に塩と重層を加え2分程度茹で、その後すぐに冷水にさらす。
下処理したヨモギは冷凍保存できます。
硬い部分はお茶用として、ザルなどに入れ天日で乾燥させます。

水や 50℃のお湯で汚れを落とす。
春の新芽の場合、灰汁はほとんど無い。

アレンジRecipe

材料とつくり方(1人前)

 みじん切りしたヨモギの活用
ヨモギ+ゴマで骨粗しょう症予防
ヨモギとゴマのおにぎり


下処理したヨモギ(水分をしっかり絞り刻んだもの)を大さじ1弱用意する。
炊いたご飯1合と白ゴマ(お好みの量)を混ぜる。
①と②を混ぜ合わせて握る。

いつものポテトサラダにちょこっとプラス
春色のポテトサラダ


ポテトサラダに、ヨモギのジェノベーゼか、刻んだヨモギ(それぞれお好みの量)を混ぜ合わせる。

簡単お手軽
ヨモギの餡で和菓子


ペーストにしたヨモギ(小さじ1)もしくはヨモギパウダー(小さじ1/2)と、白あん(大さじ2)をよく混ぜ合わせ、お好みの果物を添えて出来上がり。

Recipe2
ヨモギ生姜茶

目が充血したり、血走った時。それは毛細血管が破れている状態です。そんな時は、身体を暖かくして気血の流れを順調にするヨモギ茶がお勧めです。生姜をプラスして脂肪代謝促進も期待できます。


◆ 材料とつくり方 ◆

乾燥ヨモギ(23g)を、コップ 1杯分のお湯に23分浸す。
①をコップに移し、針生姜(生姜の細切り)を23本程度入れてできあがり。

Recipe3

親子でチャレンジ
ホットケーキミックスとヨモギでふわっとベニエ


◆ 材料(1人前)◆

・ホットケーキミックス・・・・・・・・・・・・・100g
・ヨモギのペーストもしくはヨモギパウダー・・・・小さじ2
・水もしくは牛乳・・・・・・・・・・・・・・・・80100cc
・小麦粉(打ち粉)、揚げ油、粉砂糖・・・・・・・各適量

◆ つくり方 ◆

ヨモギを、水もしくは牛乳と混ぜる。
①とホットケーキミックスを混ぜ合わせ、冷蔵庫で30分ほど寝かせる。
打ち粉を敷いて、めん棒などで1㎝の厚さに伸ばし、お好みの量で分ける。
温めた油で、生地が膨らむまで揚げる。
冷めてから粉砂糖をかける。
水分(水もしくは牛乳)の代わりにお豆腐で混ぜると、ふわふわ感が増します。

撮影/水野真澄

監修/食と暮らし方のエコノミスト
岩本 節子 Setsuko Iwamoto
薬膳サロン船七.com代表 国際中医薬膳管理師 予防薬膳専門家
 
多種多品目の食材をバランスよく食べることで健康寿命を延ばす、家族のための予防薬膳教室を、地元である大東市住道(大阪)で開催。
大和当帰の栽培、薬膳素材を使ったスープや当帰の調味料などの開発を行っている。


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