「補・捨」のメニューで食べて整える
2025年の始まりにあたり、
感謝の気持ちを込めてご挨拶申し上げます。
「心身一如(しんしんいちにょ)」
心と体は影響し合う関係にあると言われています。
私たちの身体は、これまでの出来事や食べたもので育まれています。
食べるというシーンは出来事に左右されやすく、偏ったり暴飲暴食の引き金になったり、結果的に不調となり表れることがあります。食物は、そんな私たちに寄り添い健康と幸せを支えてくれているのです。
今号のテーマは「捕・捨」。
捕(ほ)………身体に必要な物を補う
捨(しゃ)……身体に余分な物を捨てる
新しい年を健やかにと願い、食べて整える「補・捨」のメニューをお伝えします。
もちもちプチプチの食感
腎のエネルギーを補いアンチエイジング
椿の葉の俵型おにぎり
◆ 材料とつくり方(4個分)◆
① 米類1合分(黒米もしくはお好みの雑穀米1:もち米2:うるち米7の比率)を準備。うるち米ともち米を洗い、ざるに上げておく。
*1合(約150g)の場合、黒米/雑穀米 大さじ1(15g)、 もち米 大さじ2(30g)、うるち米 大さじ7(105g)
② ①と黒米もしくは雑穀米と1合分の水をあわせて炊く。
③ 椿の葉8枚(おにぎり1個につき2枚)を、濡らしたキッチンペーパーを使って汚れを取り除いておく。
④ 炊きあがったお米を俵型に握り、椿の葉で挟む。葉の大きさに合わせて握るのがポイント。
寒い時期に咲く椿の花。その葉を用いた「椿餅」は日本最古の餅菓子のひとつといわれ、『源氏物語』にも登場します。冬の間も濃い緑を保つ葉はあしらいに重宝されまた粋でもあったようです。
雑穀米を集めてつくるおにぎりは、それぞれの効能で身体を補・捨。黒米などの“黒い食材”には腎臓の働きを高める効果があり、寒い冬に弱りがちな「腎」を補う食材として適しています。
肺・腎・脾を養生して
春のアレルギー症状を予防する
新春薬膳とろっとスープ
◆ 材料(2人分)◆
☆麦門冬煎じ汁(※)・・・・・・・・100cc
☆乾燥シイタケ・乾燥エビの戻し汁・・・・・・・・200cc
☆黒キクラゲ(水で戻して細切り)・・・・・・・・1~2枚
☆白キクラゲ(水で戻し食べやすい大きさに切る)・・・・・・・・適量
☆ナツメ・・・・・・・・小2個
☆水・・・・・・・・1000cc
☆醬油・・・・・・・・適量
☆酒・・・・・・・・小さじ1
・長芋・・・・・・・・・・・適量
・エノキダケ・・・・・・・・適量
・片栗粉または葛粉・・・・・・・・大さじ2(水180〜200ccで溶く)
・ゆずの皮(飾り用)・・・・・・・・適量
・クコの実(飾り用)・・・・・・・・適量
※麦門冬(バクモンドウ)(100㏄)の煎じ方
土鍋に水1000㏄を入れ弱火にかけ、温まったら麦門冬20gを入れ20分~30分弱火で煮つめる。
麦門冬を濾した煎じ煮汁(約100cc)をとっておく。
◆ つくり方 ◆
① 土鍋に☆印の材料を入れ弱火でゆっくり10分ほど煮る。
② ①の味を調えたら長芋とエノキダケを加え、煮崩れないように火を通す。
③ ②に水溶き片栗粉(または葛粉)を入れてお好みでとろみをつける。
④ 器に盛り付けゆずの皮・クコの実で飾る。
ナポリの家庭料理 ゼッポリーニ風
あおさと桜エビのおやつ
◆ 材料(1人分) ◆
☆強力粉・・・・・・・・100g
☆ドライイースト・・・・・・・・1g
☆砂糖・・・・・・・・ひとつまみ
☆塩・・・・・・・・小さじ1
☆水・・・・・・・・100cc
・オリーブオイル・・・・・・・・小さじ1
・あおさ・・・・・・・・適量
・桜エビ・・・・・・・・適量
・サラダ油(揚げる用)・・・・・・・・適量
① ボールに☆印の材料を入れて混ぜる。
② オリーブオイルを加え滑らかになるまで練る。
③ ラップをかけて30分~1時間ほど寝かせる。
④ あおさと桜エビを入れ混ぜる。
⑤ 油を160℃に温め、④の生地をスプーンですくって落としながら揚げる。
*スプーンにサラダ油を塗っておくと生地がくっつきにくい。
ちょっとブレイク
「イタリアン薬膳」
血液の流れをスムーズにしてくれる桜エビの素干しは、カルシウムや銅ビタミンB12で抗酸化作用、骨粗しょう症の予防改善が期待できます。
監修/食と暮らし方のエコノミスト
岩本 節子 Setsuko Iwamoto
処方箋堂ふなしち 代表 国際中医薬膳管理師 予防薬膳専門家
多種多品目の食材をバランスよく食べることで健康寿命を延ばす、家族のための予防薬膳教室を、地元である大東市住道(大阪)で開催。
大和当帰の栽培、薬膳素材を使ったスープや当帰の調味料などの開発を行っている。