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五臓を整える
ローリングストックレシピ

今年1月に起きた地震のあと、「保存していた薬膳食材」があったことで、とても助かったと友人が話してくれました。
 
皆さんは、非常時に必要なものを備えていますか?
我が家の乾物以外の備蓄食品は、魚肉ソーセージ・えいようかん・7年保存水・焼き鳥や鯖の缶詰・ふりかけ・プランターの再生ネギ・チルドの雑穀や豆などでした。改めて見てみると3日間生き延びるために十分な備えとは言えません。これを機に備蓄食品を増やしていこうと思います。
 
「長期保存できる薬膳食材で、もしもに備える」
今回は、そんな我が家のストック食材や以前ご紹介したことのある生薬を使ったローリングストックレシピと、その食材の帰経(食べたものの行先)をお伝えします。

帰経
食べ物には、それぞれ「届く場所」があると言われています。薬膳では旬のアサリを食べると、肝腎脾胃に届きます。
食べたものがどの臓器(肝・心・脾・肺・腎)に影響を与えるかを示す考えを帰経と言います。
 
高麗人参:心・肺・脾
茯苓  :心・脾・肺・腎・胃
椎茸  :肝・脾胃
貝柱  :肝・腎
クコの実:肝腎・肺
トウモロコシのひげ:肝、腎、膀胱



 
Recipe1

アサリの薬膳スープパスタ


材料(2人分)

☆薬膳スープ用食材・・・・・・・適量(高麗人参・茯苓・スライス乾燥椎茸・玉竹・乾燥ホタテ・貝柱・クコの実など)
☆水戻しスープ用水・・・・・・・200cc
・特定原材料を使わないパスタ・・・・・・・120g(お米で作ったフェットチーネを使用)
・ゴマ油・・・・・・・適量
・スライス乾燥ニンニク・・・・・・・適量
・お好みの刻み野菜・・・・・・・適量(今号では春キャベツ・菜の花・ニラを使用)
・アサリのむき身缶・・・・・・・100g
・酒(白ワインまたは料理酒)・・・・・・・小さじ1
・醤油・・・・・・・小さじ1
・お好みの調味料・・・・・・・適量(出汁・塩・胡椒・刻み生姜など)
 

つくり方

準備:鍋に☆印の材料を入れ1時間ほど浸したあと弱火で30分ほど煮出す。
煮出した薬膳食材は一旦取り出し、食べやすい大きさに切っておく。※ポイント:食物繊維up
 
① 鍋にたっぷりのお湯を沸騰させパスタを湯がく。(湯がき方は商品の作り方に合わせる)
② フライパンにゴマ油と乾燥スライスニンニクを入れ熱し、刻み野菜を炒め冷ましておく。
③ 準備しておいた薬膳スープに、アサリのむき身と汁、白ワインまたは料理酒、醤油を入れ弱火で温める。
④ ③に①(湯がいたパスタ)と取り出しておいた薬膳食材を入れ、温まったら器に移し、②を盛り付け、クコの実を散らして出来上がり。(お好みの調味料で味を整えてください)
 

Recipe2

魚肉ソーセージと薬膳スープ殻の
バルサミコオイル和え
(菜の花添え)


材料とつくり方(2人分)

① 薬膳スープで使った食材の殻を刻む。
  (ここでは椎茸・貝柱・茯苓を刻んでいます)
② 魚肉ソーセージとその時期のお野菜を、食べやすい大きさにカットする。
  (茹でた菜の花とキャベツを使っています)
③ バルサミコ酢(小さじ1)とオリーブオイル(大さじ1)を混ぜる。
  ※和え物用のドレッシング比率のため酸味が強めです。それぞれの量をお好みで加減してください。
④ ①と②を混ぜ合わせ器に移す。
⑤ ④に菜の花を盛り付け、③のバルサミコオイルを掛け出来上がり。
  ※酸味が強いときは、かつお節を掛けると和らぎます。


ちょっとブレイク
「トウモロコシのひげ茶」
生薬名は玉米鬚(ギョクベイジュ)
膀胱へ帰経することから、むくみや腎炎などに効果があると言われています。ホットで飲むのがオススメです。

撮影
水野 真澄  Masumi Mizuno


Instagram  @masumimi_photo

 

監修/食と暮らし方のエコノミスト
岩本 節子 Setsuko Iwamoto
処方箋堂ふなしち 代表 国際中医薬膳管理師 予防薬膳専門家
 
多種多品目の食材をバランスよく食べることで健康寿命を延ばす、家族のための予防薬膳教室を、地元である大東市住道(大阪)で開催。
大和当帰の栽培、薬膳素材を使ったスープや当帰の調味料などの開発を行っている。


Instagram  @se2ko_ism