HOME | コラム集 | 薬膳Life | 暑さが終わるとやってくる 乾燥の季節のトラブル対策

暑さが終わるとやってくる乾燥の季節のトラブル対策

異常気象といわれる暑さが過ぎたとたん、乾燥が始まるころ。
いくども四季を重ねその都度、私たちの心身は、その時起こった出来事と共に五臓六腑で記憶を塗りかえています。

近年は命に関わる異常な気温によりエアコンが必須となり、季節を問わず著しく乾燥しています。
乾燥が原因で起きやすくなるのは「カサカサ」「下唇が荒れる」などの皮膚トラブル。
乾燥は「肺」にも影響を及ぼすため、咳や痰、ぜんそくなどの症状で悩む人が増えていると聞きます。
時には病名が付くほどの重篤になることもありますがそれでも私たちは健康に過ごす時間を大切に生きています。
今回は、日々私たちを守ってくれる五臓の修復を助けるレシピをお届けします。
 
臓腑の機能が低下すると何かしらの症状が出始めます。
例えば、「目が疲れる」「疲れやすい」「お腹の調子が悪い」など。
その原因はさまざまですが、薬膳では症状の原因の臓器を特定し、その臓器の帰経(※)する食材を用いることで臓器細胞の修復力を補います。
 
※帰経:食材がどの部分や臓器に影響があるかを示したもの
 
まず、五臓の主な生理機能を確認してみましょう。

肝:血や気の流れを調節する役割
心:五臓を調節し血液全体に循環させる役割
脾:胃や腸などの消化・吸収を調節し 栄養を全身に送る役割
肺:呼吸・免疫機能・水分調節、肌の保護などに 影響を与える役割
腎:成長発育や老化、尿の分泌と排出のほかホルモンバランスの調整などの役割

今回使用した帰経の役割
Recipe1

ぐっすり寝たいときに
レンコンと百合根のご飯


材料(2〜3人分)

・米・・・・・・・・2合
・レンコン(3㎜幅でスライス)・・・・・・・・お好みの量
☆乾燥百合根・・・・・・・・お好みの量
☆乾燥山芋・・・・・・・・お好みの量
・クコの実・・・・・・・・1つまみ
・酒・・・・・・・・小さじ1

つくり方

① 下準備:☆を水に30分程度浸して戻す。
② 炊飯器に①と洗った米、その戻し汁、レンコンを入れ、2合の目  盛りまで水を注ぎ入れて炊く。
③ 炊き上がったら具材をよく混ぜ合わせて器に盛り付け、最後に  クコの実を添える。
※ 今回は乾物の百合根や山芋を使っています。

Recipe2

乾燥から守る
補気たっぷりのキノコスープ


材料(2人分)

☆乾燥どんこ(シイタケでもOK)・・・・・・・・中2個
☆乾燥キクラゲ(黒キクラゲ)・・・・・・・・小2枚程度
・エノキダケ・・・・・・・・適量
・シメジタケ・・・・・・・・適量
・マイタケ・・・・・・・・適量
・水煮大豆・・・・・・・・適量
・ニンジン(5㎜の短冊切り)・・・・・・・・適量
・レンコン・・・・・・・・適量
・アサツキ(小口切り)・・・・・・・・少々
・水・・・・・・・・300㏄程度(+戻し汁300㏄)
・白だし・・・・・・・・適量

つくり方

① 下準備:☆を水に浸して戻す。戻し汁は300ccほどとっておく。
キノコ類は石づきなどを取り、食べやすい大きさに切る。
② ☆(戻したもの)と300cc+戻し汁300ccを鍋に入れ、沸騰する直前まで弱火にかける。途中、灰汁が出たら取り除く。
③ 残りのキノコ類、水煮大豆、ニンジン、レンコンを入れ、中火で材料に火を通す。
④ ③に①と水煮大豆を入れひと煮立ちさせる。
⑤ 仕上げに白だしを入れ味を整えた後、器によそい最後にアサツキを散らす。

 

撮影
水野 真澄  Masumi Mizuno


Instagram  @masumimi_photo

 

監修/食と暮らし方のエコノミスト
岩本 節子 Setsuko Iwamoto
処方箋堂ふなしち 代表 国際中医薬膳管理師 予防薬膳専門家
 
多種多品目の食材をバランスよく食べることで健康寿命を延ばす、家族のための予防薬膳教室を、地元である大東市住道(大阪)で開催。
大和当帰の栽培、薬膳素材を使ったスープや当帰の調味料などの開発を行っている。


Instagram  @se2ko_ism