食卓からできるSDGs
日本古来のみかんの力
1月は、お正月に家族や親族が集まり「睦み合う」ことから睦月と呼ばれるようになった、と言われています。大切な人を守るために距離をとり、寄り添い合う時代。今年も薬膳を通して、食べることや健康のことなどをお届けしてゆきたいと思います。本格的な冷たい空気にウイルス・細菌が侵入しやすくなる季節。うがい、手洗い、水分補給などに気をつけて健やかにお過ごしください。
この連載記事も22回目となりました。その間に、さまざまな出来事があり大きく環境が変わった方もいらっしゃると思います。今、世の中では「次世代へ残したいもの」や未来へつなぐという活動が盛んに行われています。エネルギー不足や環境破壊、食料不足などさまざまな課題が山積みのなか日本の冬に欠かせないみかん(温州みかん)を通して、みかん山の風景や担い手を育てる活動に出会いました。甘くおいしいみかんを作るために摘果(間引き)したものを青みかんと呼ぶそうです。今回は、食卓から参加できるSDGs。日本の在来種”温州みかん“を使ったレシピをご紹介します。
脂質異常症を改善するフラボノイドが含まれていることから血液サラサラ効果で生活習慣病の予防が期待できる。 1日の摂取量は 4g程度。
クミンシードの効能
健胃作用、消化促進作用、鎮痛作用、肝機能促進作用。腸内にたまったガスを排出させる。
オタネニンジン(和名)
朝鮮人参、高麗人参などと呼ばれている。韓国料理の普及により、生はもとより乾燥・粉末など手軽に購入することが可能。ストレスによる胃腸虚弱や食欲不振、疲労回復、滋養強壮に効能が期待できる。
摘果した青みかんで
塩みかん
◆ 材料 ◆
・青みかん(無い場合は小さめのみかん)・・・・3個
・天然塩(塩麹でも可)・・・・・・・・・・・・1~2g
◆ つくり方 ◆
① 青みかんを洗い、しっかり水分を拭き取って薄くスライスする。
② ①を瓶や保存容器などに入れ、天然塩を加 え全体にゆきわたるように振り混ぜる。
③ ②を冷蔵庫に半日ほど入れ、容器に溜まっ た水分を捨てる。
④ ③の作業を3~4回繰り返し、1週間ほどで出来上がり。
※使用する前に再度水分を捨て、塩味が強い時は軽く水洗いしてください。
※今回は農薬を使っていない青みかんを使用しています。
主食のごはんで力をつける
クミンとターメリックで力が湧くごはん
◆ 材料(2人前)◆
・米・・・・・・・・・・・・・・2合
☆鶏肉・・・・・・・・・・・・・100g
☆クミンシード・・・・・・・・・小さじ1
☆ターメリックパウダー・・・・・小さじ1
☆チキンコンソメ顆粒・・・・・・小さじ1
☆乾燥エビ・・・・・・・・・・・6個
☆オタネニンジン(高麗人参)・・適量
・塩みかんのスライス・・・・・・2枚
◆ つくり方 ◆
① 炊飯器のお釜に、洗ったお米と2 合分の水を入れる。
② ①へ☆の材料を加えて炊飯する。
③ 炊けたら青みかんのスライスを 加え余熱で5分ほど蒸す。
※みかんの皮に含まれるβ-カロテン・β-クリプトキサンチンは比較的熱に弱いため、後入れにします。
家庭でつくる
みかんの皮(陳皮風)
◆ 材料とつくり方 ◆
① みかんの汚れを洗い落とし、しっかり水分を拭き取ってから皮をむく。
② むいた皮を細く刻む。
③ 天気の良い日にザルなどで天日干し。冷凍保存の場合は、②をラップするか保存袋に入れ 冷凍室へ。
プラス薬膳副菜で効率よく免疫力をアップ
◆ 切干大根の酢の物(冷凍保存した皮を使用)
◆ 陳皮みその田楽(乾燥させた皮を使用)
食品ロスを減らし、だるさ・疲労におすすめ
キノコのピクルス
◆ 材料 ◆
・キノコ・・・・・・・500g(エノキ、マイタケ、シイタケ、ヒラタケなど、使いきれなかったキノコ類を冷凍庫で保存しておく)
☆調味酢・・・・・・・大さじ2
☆オリーブオイル・・・大さじ1
☆みかんの皮・・・・・お好みの量
☆粗挽き黒コショウ・・少々
◆ つくり方 ◆
① 冷凍保存していたキノコ類を解凍する。
② キノコの水分を絞り、☆を混ぜ合わせた調味液に漬け込む。
③ 冷蔵庫で一晩寝かせて出来上がり。
教えてせつこさん
質問コーナー
Q最近、いやな夢ばかり見ています。起きると体がだるくとても疲れやすいためにやる気が出ません。何か良い方法はないでしょうか。
(37歳 C子さま)
A C子さま、夢の内容はあまり覚えていないとのことですが、不快な夢ですと憂鬱ですね。中医学では、夢をよく見ることを多夢と言い、体内からのサインと考えます。疲れやすく元気が出ないのはお辛いですね。女性は月経血過多、出産などによる貧血などが考えられますので婦人科や漢方薬局でご相談されることと、ゆっくりと良い眠りのために、胃腸に負担をかけない消化の良い食事を召し上がっていただきたいと思います。モヤのかかった毎日が、少しでも健やかになればと思います。どうぞお大事になさってください。
撮影/水野真澄
監修/食と暮らし方のエコノミスト
岩本 節子 Setsuko Iwamoto
薬膳サロン船七.com代表 国際中医薬膳管理師 予防薬膳専門家
多種多品目の食材をバランスよく食べることで健康寿命を延ばす、家族のための予防薬膳教室を、地元である大東市住道(大阪)で開催。
大和当帰の栽培、薬膳素材を使ったスープや当帰の調味料などの開発を行っている。