時代の節目を乗り越えるための
お守りになる薬膳
長く続いたコロナ感染緊急事態宣言が突如として解かれ、巣ごもり生活から急速に変化する世の中で暮らす私たちの心身への負担は、はかり知れません。
時代の節目に生きることになった私たちが不安で押しつぶされないように、こんな時だからこそ大切な人たちと、笑顔溢れる、衛気(えき)みなぎる毎日を過ごすための簡単な薬膳レシピをお伝えします。
中医語録メモ
益腎(えきじん)
腎機能を高め、精を補う。
衛気(えき)
免疫力を整え外的刺激から体を守り、病気になる前に防ぐバリアのようなちから。
節目年齢と時代の節目で起きる症状
中医学で言う節目年齢とは「女性は7の倍数」「男性は8の倍数」の年齢で体に変化があるとされています。
時代の節目で起こっているさまざまな症状(イライラ、不安、落ち込み、不眠、ホットフラッシュ、動悸、肩こり、腰痛)は年齢に関わらず節目年齢で起こる症状と共通して起こっていると思われます。
中医学では主にホルモンを司る腎力を高める食材を摂る事で養生をしています。
身体を温める衛気(えき)味噌
基本の辛味噌
◆ 材料(1回分)◆
・味噌・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2程度
・唐辛子・粉唐辛子・・・・・・・・・お好みの量
・白ゴマ、黒ゴマ・・・・・・・・・・各大さじ1
・乾燥したスライス生姜・・・・・・・みじん切りで大さじ1
◆ つくり方◆
器に材料を全て入れ混ぜ合わせる。
野菜やお肉の付けダレにも活躍する甘辛味噌
◆ 材料(1人前)とつくり方◆
① 器に基本の辛味噌(大さじ1)を入れる。
② 三温糖(小さじ2)、ゴマ油(小さじ1/2)を入れ、馴染むまで混ぜ合わせる。
③ みじん切りしたニンニクと生姜をお好みで入れ、再度よく混ぜ合わせる。
下段左から味噌、白ゴマ、黒ゴマ、唐辛子、乾燥海老
◆ 材料(1回分/約300cc)とつくり方◆
① 鍋に水(200㏄)と砂抜きしたあさり(10~20粒)と乾燥海老(6個)を入れ弱火に掛ける。
② 灰汁を丁寧に取り除きながら水200㏄を追加しゆっくりとエキスを抽出する。
基本の辛味噌と益腎スープを使ったチゲ
◆ 材料(2人分)◆
・益腎(えきじん)スープ・・・・・・・・・・・・・300㏄程
・豚肉(バラ)・・・・・・・・・・・・・・・・・・100g
・豆腐・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/2丁
・ニンニク・生姜・・・・・・・・・・・・・・・・・お好みの量
・基本の辛味噌・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1~2
・お好みの野菜
◆ つくり方◆
① 鍋に益腎(えきじん)スープ、豚肉、豆腐、ニンニク・生姜を入れ弱火で具材に火を通す。
② ①に基本の辛味噌を溶き入れ、お好みの野菜を入れ、火を通し出来上がり。
◆ 材料(2人前)◆
・鶏の挽肉・・・・・・・・・・・・・・・50g
・ピーマン・タマネギのみじん切り・・・・お好みの量
・甘辛味噌・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1
・黒米・・・・・・・・・・・・・・・・・茶碗に軽く2杯分
・卵黄・・・・・・・・・・・・・・・・・2個
◆ つくり方◆
① フライパンにひき肉とピーマン・タマネギを入れパラパラになるように炒める。
② ①の粗熱が取れたら耐熱容器に移し、甘辛味噌を加え電子レンジ500wで50~60秒程温める。
③ 熱いうちに器の中でよく混ぜ合わせる。
④ どんぶり茶碗に炊いておいた黒米を盛り、お好みの野菜と卵黄1個を盛り付ける。
疲れた腸内環境を整え美肌作りに
ほんのりオレンジ色の柿ヨーグルト
◆ 材料(1人前)とつくり方◆
① 器にプレーンヨーグルト(80g)を入れ、
② 熟れた柿(スプーンでつぶした物)をトッピング。
柿に含まれるタンニンは抗酸化作用がありシワの原因となる活性酸素を除去してくれます。
教えてせつこさん
質問コーナー
Q 去年あたりから、身体がだるく近頃は食欲もあまりありません。病院へ行った方がいいですか?
(S美 37歳 パート勤務 女性)
A 昨年から続く不調でご心配ですね。S美さんのように体がだるくて辛いと言う方が増えていると聞きます。長引く不調の原因として女性ホルモンや自律神経が関わっているのではないかと思います。今年は湿気の多い長い夏でしたので、夏の疲れがより症状を悪化させているのかもしれません。医療機関での検査と同時に女性ホルモンを活性する食材を摂り、身体を冷さない養生をおススメします。どうぞお大事になさってください。
撮影/水野真澄
監修/食と暮らし方のエコノミスト
岩本 節子 Setsuko Iwamoto
薬膳サロン船七.com代表 国際中医薬膳管理師 予防薬膳専門家
多種多品目の食材をバランスよく食べることで健康寿命を延ばす、家族のための予防薬膳教室を、地元である大東市住道(大阪)で開催。
大和当帰の栽培、薬膳素材を使ったスープや当帰の調味料などの開発を行っている。