巣ごもり生活で起こりやすい
めまい・脳疲労などを緩和
薬膳養生―食べ物は薬
薬膳で言う食養生とは、日常の生活の中で命を養い、健やかに生きることを目指すという意味です。生活習慣を見直す食養生を実践することで、気になる不調や症状の緩和・予防、体質改善にもつながるのではないでしょうか。
コロナ禍でストレス事態も大きく変わり突然起こる、めまいに悩んでいる人も少なくありません。めまいには、目の前がグルグル回る「回転性」、雲の上を歩くようにふわふわする「浮遊性」また、立ち上がるとくらっとする・体や頭がグラグラ揺れるなど、さまざまな種類や症状があります。めまいの改善には、神経の修復に必要なビタミンB群が多く含まれる豚肉、レバー、魚介類、納豆など。薬膳では脳の疲れに着目し健脳効果があるクルミがおススメです。
立ちくらみ・めまいに漢方薬「苓桂朮甘湯」
漢方では、めまいの原因は体内の水分が停滞したり偏在したりする「水滞(すいたい)」であると考えています。苓桂朮甘湯は、頭痛、耳鳴り、動悸、息切れ、神経症、神経過敏の症状のある方向けの代表的な漢方です。
生薬の配合:茯苓、蒼朮、桂皮、甘草
クルミ
腰痛、耳鳴り、肌の老化などの予防や、健脳効果・滋養強壮効果が期待される食材です。免疫力を高め、慢性の咳や喘息、息切れや便秘の解消が期待できます。
桂枝(ニッキ)と桂皮(シナモン)
身体を内側から温める食材で、スパイスとしてよく使われます。冷えからくる腹痛や関節痛、月経痛などの痛みを和らげる効果が期待できます。
身体を冷す食材には「シナモンパウダー」を
サツマイモとリンゴの温かいポタージュ
◆ 材料(2人前)◆
・サツマイモ・・・・・・・・・・・100g
・リンゴ・・・・・・・・・・・・・・・・・1/8個
・水・・・・・・・・・・・・・・・・・1/2カップ
・豆乳・・・・・・・・・・・・・適量(お好みで)
・クルミ・・・・・・・・・・・・・・・・・少々
・塩コショウ・・・・・・・・・・・少々
・シナモンパウダー・・・・適量(お好みで)
◆ つくり方 ◆
① サツマイモを乱切りし水に晒す。
② リンゴを一口大のサイコロ状に刻む。
③ お鍋に①と水を入れ、サツマイモが崩れるくらいまで火に掛ける。
④ 崩したサツマイモの粗熱が取れたら、豆乳を少しずつ入れ、マッシャーなどで好みの濃度に調整する。
⑤ 電子レンジで再度温め(500wで30秒ほど)、塩コショウで味付けする。
⑥ 刻んでおいたリンゴ、クルミなどをトッピングし、仕上げにシナモンパウダーを振りかける。
果汁まで美味しい
簡単コンポート
柿やリンゴはシナモンパウダーを振りかけ、電子レンジで温めたもの(500wで30秒ほど)。バナナは切ってシナモンパウダーをふりかけるだけ。
「同類相補(どうるいそうほ)」
続くコロナ禍で働き方が変わり、働く世代では脳疲労が増えていると言われます。薬膳では「同じ色や形をしているものは、それを補う効果がある」とされ、その効果を「同類相補(どうるいそうほ)」と言います。なかなか意識しづらい脳疲労におススメのレシピをお伝えいたします。
気の巡りを改善する食材で、頭痛や頭重感にも役立つ。頭に上がった気を下げることで、のぼせやめまいを改善。最近はテレワークの増加による疲れ目やドライアイに悩む人も増えているようです。
顔面神経痛やチック症などにもオススメ
脳を休めてめまいを緩和
オレンジ入りミントティー
◆ 材料(2杯分)とつくり方◆
① みかん(1個)の果肉部分をポットもしくはカップに入れる。
② ①にミント15g(お好みの量)を入れる。
③ ②に熱湯300~350ccを注いでまぜる。
最後に、みかんの皮を少し刻んだもの(無農薬のもの)を入れると、香りが肺まで届き身体を温めてくれます。
男性の更年期障害にも。脳の形に似たクルミを使った簡単健脳レシピ
クルミ味噌
◆ 材料(2杯分)◆
・クルミ・・・・・・・・・・・・・・・10g(3粒程度)
・味噌・・・・・・・・・・・・・・・・・30g
・酒・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2
・みりん・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1
・砂糖・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1
◆ つくり方 ◆
① クルミをビニール袋に入れ砕く。
② フライパンにクルミとその他の材料を入れて、よく混ぜてから焦げないように火にかける。全体が混ざったら出来上がり。
神経の修復を助ける
クルミ味噌の活用例
脳健サンド
お好みの肉類や野菜を、クルミ味噌と一緒にパンに挟むだけ!
豚バラ肉、チンゲン菜
ボイルした海老、アボカド、レタス、ブロッコリー
こんにゃくとジャガイモ
一口大に切って茹でたこんにゃくとジャガイモに、クルミ味噌を絡めるだけ!
撮影/水野真澄(※以外)
監修/食と暮らし方のエコノミスト
岩本 節子 Setsuko Iwamoto
薬膳サロン船七.com代表 国際中医薬膳管理師 予防薬膳専門家
多種多品目の食材をバランスよく食べることで健康寿命を延ばす、家族のための予防薬膳教室を、地元である大東市住道(大阪)で開催。
大和当帰の栽培、薬膳素材を使ったスープや当帰の調味料などの開発を行っている。