二十四節気・七十二候
楽しむ薬膳レシピ(春〜初夏篇)
鰹のタタキと新緑のアボカド
◆ 材料(2人前)◆
・鰹の切り身・・・・適量(1/4尾程度)
・アボカド・・・・・・・・1/2個
・新たまねぎ・・・・1/2個
・アマランサス・・・・お好みの量
・添え野菜(ブロッコリー、トマト、夏みかんなど)お好みで
◆ つくり方 ◆
① アボカドを半分に割り身をくり抜きペースト状にしておく。茶色く変色するのを防ぐために柑橘の 絞り汁を混ぜる(今回は夏みかんを使用)。アボカドがさっぱりとした爽やかな香りになります。
② 新たまねぎを薄くスライスし、しばらく水にさらした後、軽く絞っておく。
③ 鰹と添え野菜を適当な大きさに切る。
④ お皿に①を平らに敷き、その上に鰹を乗せる。
⑤ 新たまねぎや添え野菜を横に盛り付ける。
⑥ 湯がいたアマランサスを上から撒くようにかける。
ポイント
たれ・・・・・・鰹に血合の多い場合は、醤油もしくはポン酢や、そこに加える生姜・ニンニク・大葉などの量を加減すると食べやすくなります。
初夏の3種酢飯(黒・赤・緑)
◆ 材料(2人前)◆
・白米・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.5合
・黒米・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ティースプーン2~3杯
・紅麹米・・・・・・・・・・・・・・・・・・ティースプーン2~3杯
・カラスノエンドウ・・・・ひとつかみ
・酢・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ3
・砂糖・・・・・・・・・・・・・・大さじ6
・柑橘汁・・・・・・・・・・・お好みの量
◆ つくり方 ◆
① 酢・砂糖・柑橘汁を合わせて甘酢をつくり、3等分しておく。
② カラスノエンドウをよくすすぎ、お鍋に浸るくらいの水を入れサッと火を通し、水にさらしザルに上げ、水分をよく切る。
③ お米1/2合と黒米を炊く。
④ お米1/2合と紅麹米を炊く。
⑤ お米1/2合を炊く(白米をいつもどおり炊く)
⑥ ボールに①(1/3)と②を入れて混ぜ、5分ほど馴染ませてから⑤に混ぜる。
⑦ ①(各1/3)を、それぞれ③と④にも混ぜる。
⑧ それぞれの飯の熱を冷まし、押し寿司の型に入れ整える。
山芋の梅和え
◆ 材料(2人前)◆
・山芋・・・・・・・・お好みの量
・梅干し・・・・・2個
◆ つくり方 ◆
① 山芋の髭はガス火などであぶって下処理をしたのち、食べやすい大きさの短冊に切る。(皮が嫌な時はむく)
② 梅干しのタネを抜き、実を包丁でこそぐ。
③ ①と②を和える。
その日に飲める簡単薬膳サングリア
夏はエアコンや梅雨冷えなどで体調を崩しがちなうえに、フレッシュな果物は身体を冷やす作用のものが多いです。血を作る薬膳素材を漬けこんだ、その日のうちに飲めるワインで温めましょう。
◆ 材料(各1杯分)◆
・白ワイン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・200cc
・玫瑰花(まいかいか)・・・・5粒程度
・クコの実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20粒程度
・なつめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・中3粒程度
・赤ワイン・・・・200cc
・クコの実・・・・20~30粒程度
◆ つくり方 ◆
それぞれの容器にワインと材料を入れ、30~60分ほどで材料が馴染みだしたらお飲みいただけます。
残った殻も全て召し上がれます。
二十四節気:立夏(りっか)…5月6~21日頃
初候:蛙始めて鳴(かわずはじめてなく)
次候:蚯蚓出(みみずいずる)
末候:竹笋生(たけのこしょうず)
野山には新緑が萌え、気持ちのよい頃です。この時期に吹く初夏の風を薫風(くんぷう)と呼び、初々しい爽やかさを感じます。
ハウスで育つ野菜が増えることで、季節を問わず美味しい食材が手に入るようになりました。一方で、その時期に必要な食事が摂れていない(身体の衣替えができない)ことから起きると思われる、病名の付かない病「未病」が増えているようです。
元号が令和になり、新しい年明けです。気軽にできる薬膳レシピに新しく「身近な野草」を取り入れ、季節を肌で感じることのできる献立をご紹介します。四季の野草は、私たちの歩く足元にも育っています。住んでいる環境に興味を持ったり、フレイル予防(※)やお子さまとのコミュニケーションにもお役立ていただければ幸いです。
「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」
日本の自然をうたった俳句からイメージした、初夏の薬膳メニューでした。
春の青色(緑)と夏の赤色を取り入れています。
※フレイルとは、健常から要介護へ移行する中間の段階と言われています。
具体的には、加齢に伴い筋力が衰え、疲れやすくなり家に閉じこもりがちになるなど、年齢を重ねたことで生じやすい衰え全般を指し
ています。
季節の食材
「鰹」「梅」
*鰹 補気(気を補うもの)
ビタミンDが豊富です。刺身やタタキとして食べる他、内臓は塩辛・酒盗としても親しまれています。
*梅 生津(水分を補うもの)
抗菌効果・整腸作用。「梅はその日の難のがれ」…朝一粒の梅干しを食べることで、その日は災厄を逃れることができるという意味。
身近な野草
「カラスノエンドウ」
マメ科のソラマメ属。血行促進・解熱・内臓の働きを高める・黄疸や鼻血にも良いと言われています。採取する時は、農薬・除草薬などがかかっていない場所のものを選びましょう。
夏は、五行では「火」、五臓は「心」。
症状の特徴としては、次のようなことが挙げられます。
・気温の上昇により気血の運行が活発になる。
・心の機能が高ぶり、心拍が速くなり心気に負担をかけやすいので、めまいや動悸に注意。
・汗をかきやすいので津液が不足しやすくなる。
・熱さによる食欲減退で、夏バテや倦怠感を引きおこしやすくなる。
体内に熱がこもるので、汗をかき、喉が渇いたりします。
体の上部に熱が上がり、イライラや不眠の元になったりもします。
夏の薬膳をつくるポイントをぜひお役立ていただき健やかな夏をお過ごしください。
・熱を冷ます作用のあるもの(清熱解暑)
・水分を補うもの(生津)
・喉の渇きを改善するもの(止渇)
・気を補うもの(補気)
・精神を安定させるもの(安神)
■清熱解暑
キャベツ、キュウリ、クレソン、香菜、セロリ、パイナップル、レモン、アスパラガス、春雨、きび、はと麦、小豆、緑豆、菊花、昆布、若布、ひじき、もずく、緑茶、プーアール茶など ■生津
豆乳、豆腐、オリーブ、アスパラガス、オクラ、キュウリ、白瓜、ズッキーニ、トマト、マンゴー、桃、梅、牛乳、ヨーグルト、緑茶、プーアール茶など
■止渇
キウイフルーツ、杏、枇杷、葡萄、メロン、りんご、レモン、夏ミカンなど
■補気
うるち米、赤米、鰹、蛸、鮪、牛肉、鶏肉、とうもろこし、さくらんぼ、桃、さつまいも、じゃがいも、山芋、アスパラガス、えんどう、そら豆、枝豆など
■安神(精神を安定させるもの)
玄米、小麦、青梗菜、蓮の実、ヤマブシダケ、鰯、アサリ、しじみ、烏龍茶、紅茶、ジャスミン茶、緑茶、赤ワイン、白ワインなど
撮影/水野真澄(#を除く)
監修/食と暮らし方のエコノミスト
岩本 節子 Setsuko Iwamoto
薬膳サロン船七.com代表 国際中医薬膳管理師 予防薬膳専門家
多種多品目の食材をバランスよく食べることで健康寿命を延ばす、家族のための予防薬膳教室を、地元である大東市住道(大阪)で開催。
大和当帰の栽培、薬膳素材を使ったスープや当帰の調味料などの開発を行っている。