パリ・オリンピック会場の建築
いよいよ2024パリ・オリンピックが7月26日(金)に開会式を迎えます。そこでオリンピックが行われる会場を、開催100日前となる、4月の時点で取材してみました。
今回の会場は次の3つのカテゴリーに分けられます。
1 既存施設に仮設スタンドを設置
2 新たに施設を建設
3 既存施設をそのまま利用
2の新施設は、パリ市内に一箇所、パリ近郊に一箇所あるのみです。市内では、北部のArena Porte de la Chapelle(ラ・シャペル・アリーナ)がすでに完成しており、バドミントンなどの開催が予定されています。近郊ではサン・ドニ市にあるStade de France(フランス・スタジアム)に併設してCentre Aquatique(アクアティックセンター)を新設。ここではシンクロ、飛び込みなどが開催されます。
その他の多くの競技会場は、3の形で開催されます。陸上競技は、サン・ドニ市のStade de France(フランス・スタジアム)で行われます。1998年サッカーのワールドカップの際に新設され、その後世界陸上やラグビーワールドカップなどに使われた、実績の豊かな施設です。
また競泳の会場には、2017年に新設された、デファンス地区にあるParis la Défence Arena(ラ・デファンス・アリーナ)が使用されます。こちらもラグビーワールドカップの会場として使用された実績があります。このシリーズでも以前に取り上げたことのある、美しい建築です。
ほかにも多数の既存施設が使用される予定です。例えば、毎年恒例の農業祭が行われるPorte de Versailles(ポルト・ド・ヴェルサイユ)内の見本市会場Arena Paris Sud(パリ南アリーナ)では卓球やバレーボールの競技が行われます。Grand Palais(グラン・パレ)ではフェンシングなど、Arena Champ de Mars(シャン・ド・マルス・アリーナ)では柔道やレスリングが予定されています。
このように今回のパリ・オリンピックでは、新設の大きな建築はほとんど無く、仮設スタンドや既存施設の利用がメインで、それだけコストが縮減された計画になっています。いよいよ7月からの開催、日本人選手をはじめとした活躍に期待が高まります。