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おどり、まじわり、ひろがって


ンドン通信と題した連載が始まったのは、2018年ロンドンに住んでいた時でした。縁あって、お気に入りの場所や踊った空間、旅についての記録を言葉と写真で残す機会をいただきました。
 後にWorld Topicへとタイトルが変わり、旅したヨーロッパの国々、熊本阿蘇で撮影したダンス映像作品「Nature in Nature」、福岡県八女市Villa ARTISでのパフォーマンス、イギリスから日本まで来てくれたチェロ奏者サイモンとの作品制作、今年初挑戦した写真展についてなど、今までの旅路を幅広く残してきました。
 コロナ禍で日本に帰国して5年目の今、なぜ踊るのか、改めて自らに問いかけている気がします。

①来日したチェロ奏者サイモン・マッコリーと。

②幼少期に学んだ福岡のバレエスタジオにて、チェロの生音と踊るワークショップを開催。

界の状況は刻々と変化し、情報社会に生きる中で、受け継がれてきたバレエやコンテンポラリーダンスは、発展しながら今も存在しています。これまでのエッセイを振り返ると、ひとつとして同じ瞬間はなく、バックグラウンドが異なるダンサー仲間とダンス作品を振付し踊り、他ジャンルのアーティストと空間や作品をつくること、それは簡単なようで、実は奇跡の連続だったように感じます。
 ひとりひとり持ち味や個性の異なる、愛すべき人間でありアーティストである仲間たちと共に、表現し、つくり続けていくこと、それは互いの違いを受け入れ、エネルギーを交換し合うことで、私たちがこの時代を生きた証を残しているようにも感じます。
 作品の振付や、コンテンポラリーダンスのワークショップを通じて、これからの若いダンサーの卵たちから、私自身新たな発想を受け取りながら変化し続けていきたい。そして人と人とが集い、共に踊り、見えない思いやエネルギーを共有する、この楽しさと素晴らしさを伝えていきたいと感じます。

③花と人を撮るプロジェクト「花写」で大切なダンサー仲間と。

④福岡市東区奈多海岸にて、青空の下、海風を受けながら。

⑤進藤祐光さん写真展「Nature in Nature」オープニングパフォーマンス。

⑥2020年2月コロナ禍前のロンドン・オックスフォードサーカスにて。

⑦2025年3月開催の写真展「Sky in my pocket」にて、大切な人たちと語らう忘れられない空間。

① ② ③Photo by Miyuki Toudou 
④Photo by 三笘正勝
⑤Photo by 板澤遼
⑥Photo by Mayuko Takeda
⑦Photo by 福田淳子

文・写真
福田智子  Satoko Fukuda
福岡生まれ。ソレイヤジェインズインターナショナルバレエスクールにてクラシックバレエを始める。2013年より英国、ランベールスクールオブバレエ&コンテンポラリーダンスにて学びを深める。卒業後はイギリスを拠点に、ニューヨーク、韓国、フランスでもコンテンポラリーダンスを踊る。
Instagram @satokofukuda_dance @dancersnetwork_jp
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