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”My Beautiful Things“

「みんながイキイキとした空間を作りたい!」
 そんな思いをシェアしてくれたのは、2017年ニューヨークで出会った大切な友人でダンサーの白井真優さん。その後、NYとロンドンで離れていても、「生きてる!」と感じられる彼女のエネルギッシュなダンスに、いつも刺激をもらってきました。

 世界的パンデミックでやむなく帰国した真優さんは、地元大阪でハウスダンスやジャイロキネシスを教えながら、ダンサーとしても作品制作を続け、約3年。コロナ禍を経て今、世界のダンサーやアーティストたちがどう活動し生きているかを見るために、彼女はパートナーであり、音楽家の〝夕方の豊野〟くんと、2023年5月から3か月のヨーロッパ旅へ出ると決めました。
 出発前、最後の企画公演に声をかけてくれて、ふたりに会うべく私は大阪へ向かいました。出演者が美しいと思うものを存分に披露する公演「My Beautiful Things」。それは、ふたりの門出を祝う宴のような時間でした。

ジャンルを越え一つのアートを作りあげる時間。それが「My Beautiful Things

保山大橋近く、大阪港の製造場の一角を借りた会場。本番前日は、出演者揃って床の砂を掃除し、機材を2階まで階段で運び、椅子を並べ、ゼロから会場を作りました。自分たちの手で造る舞台を見ながら、ワクワクが次第に大きくなっていきました。真優さんが目指していた「みんながイキイキする空間づくり」。出演者やサポーターが集い言葉を交わし、エネルギーや時を共有しながら空間が作られていくのを肌で感じました。

えた本番当日、立ち見が出るほど大盛況。第1部の発表会は、真優さん指導の20代から60代のハウスダンサーズ! 生き生きとした表情とダンスに、会場も大盛り上がりで胸がぐっと熱くなりました。第2部は音楽に映像、ダンス、コンテンポラリージャグリングにドローイングアート。真優さんと豊野くんが月1回開催してきたアーティスト同士が作品を披露し、意見交換をするアーティストサロン表現クラブで、自身の表現を深めた11名の演者によるパフォーマンスはどれも秀逸でした。

古典落語の噺家にインスパイアされた、心アツくなる夕方の豊野くんの音楽パフォーマンス!

オウムアムアのバンド演奏と黒田隼太さんの踊りで会場が一体となりました。

 色も形もさまざまな、それぞれが美しいと思うものを共有し対話が生まれ、互いの一部を知り新たなつながりが生まれました。出演者と観客の感情が混ざり合い、最後にはそこにいた全員でイキイキとした空間が創り上げられました。その場、その瞬間を生き、それぞれの美しいものを表現する人たちと共に踊り、生きていることを私も実感しました。そんなひと時を共有できたことが、わたしのMy Beautiful Things――そんな気がしています。

色も形も次々と変化していくnueeさんのライブドローイングは圧巻!

壁に写り込む影が、また違うストーリーを展開しているよう。

最後の演目はリハ無しぶっつけ本番のドキドキな即興! 

私たちの身体感覚がお客様にも浸透していくようなイメージで踊った真優さんとのデュエット。 

真優さん、豊野くん良い旅を!

写真/Lo-Fi工業

文・写真
福田智子  Satoko Fukuda
福岡生まれ。ソレイヤジェインズインターナショナルバレエスクールにてクラシックバレエを始める。2013年より英国、ランベールスクールオブバレエ&コンテンポラリーダンスにて学びを深める。卒業後はイギリスを拠点に、ニューヨーク、韓国、フランスでもコンテンポラリーダンスを踊る。
Instagram @satokofukuda_dance @dancersnetwork_jp
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