ミュンヘン~THINK BIG!が意味するもの~


公演「Unsolved」パンフレットとチケット。家とは何でしょう? 家とはどのように作られるのでしょう? と問いが記されています。

劇場の建物側面には、ミュンヘン出身のドイツ系ユダヤ人女優テレーゼ・ギーゼの文字が。
2024年7月5日~13日、ミュンヘンの劇場やライブ会場全7か所で開催された国際的なダンス・音楽・演劇フェスティバル「THINK BIG! FESTIVAL」。ミュンヘン到着日に公演があり、夜行バスを降りたらすぐにオールドタウンと呼ばれる地区Werkraum Münchner Kammerspiele劇場へと向かいました。

幅広い年代層の観客が劇場に足を運んでいました。
台湾人のヒップホップダンサー1人、装置を動かす演者が2人、ドイツ人の音楽家。舞台には家の縮小版模型が置いてあり、どんな作品なのかドキドキ。
後方にあったキャスター付きの大きな可動式のついたてを、作中移動させながら映像を映し、背景としてシーンの変化も表現されました。演出家が幼い頃に住んでいた家や家族関係について語る音声が流れます。模型の中に小さなカメラを入れ、家の中が映し出されると、ドイツに居ながら、今はもう住んではいない台湾にある家族との思い出の家が、まさに目の前にあるように感じ、哀愁漂う演出がとても印象的でした。

街に溶け込んだ親しみやすさを感じる劇場。
もう一つ驚いたのは、このフェスティバルが若者や子どもたちに革新的なダンス・音楽・演劇に触れる機会を設けるフェスティバルだったことです。
客席後方には学生の団体が座っていて、私が小学生の頃、地元のキャナルシティ劇場でミュージカル「ライオンキング」を観たのを思い出しました。フランス人の友人は子どもの頃、学校でバレエを観に行ったと話していたし、オランダでは子どもたちが美術館ガイドから作品について楽しそうにお話を聞く光景も目にしました。ドイツでは学生にもコンテンポラリーダンスに触れる機会があるのか!と感激でした。

新市庁舎の角にいたドラゴンが、今にも動きそうな迫力で思わずパシャリ!

左の建物1階でチケットを購入し、右の建物内にあるホールへ。
この劇場のウェブサイトにはThe City’s Theatreの文字が。その街の劇場。街に住む幅広い年代の人々に、革新的で時に衝撃的な作品を提示します。
劇場空間が、アーティストが社会へ問題提起できる表現の場のひとつになっていて、こういう観劇の機会を街やここに住むみんなが大切にしている気がしました。私たちの日常にある問題と社会と芸術が密接につながっているように感じた時間でした。あっという間にミュンヘンの日は暮れ、欧州旅はまだまだ続きます。

聖ペーター教会の塔から一望できるミュンヘンの街並み。中央はミュンヘン新市庁舎。

クリームチーズと青ネギ、程よい塩加減のプレッツェルは、11時間のバス旅を終えた体に沁みました!
文・写真
福田智子 Satoko Fukuda
福岡生まれ。ソレイヤジェインズインターナショナルバレエスクールにてクラシックバレエを始める。2013年より英国、ランベールスクールオブバレエ&コンテンポラリーダンスにて学びを深める。卒業後はイギリスを拠点に、ニューヨーク、韓国、フランスでもコンテンポラリーダンスを踊る。
Instagram @satokofukuda_dance @dancersnetwork_jp
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