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挑戦 はじまりの街シカゴ

しい年が明け、間もなく春がやってきます。海外でダンスを学びたいという思いで、世界へ飛び出して10年が過ぎました。今回は、そんな私が海外での挑戦をはじめた場所、米国イリノイ州シカゴを振り返ります。

2011年秋、ジョフリー・アカデミー・オブ・ダンスでバレエを学ぶため、ミシガン湖に面した街シカゴへ。学校はNorth Stateストリート、ダウンタウン中心部のビルに拠点があります。3階の受付を通ると、ガラス張りのレッスン室の窓から、隣にMacy’sデパート、反対側に赤と黄色のきらびやかな看板がトレードマークのCHICAGO劇場も見えました。
 ロバート・ジョフリー設立のジョフリー・バレエ。一番大きなスタジオはBlack Boxと呼ばれ、生徒による12月の『くるみ割り人形』公演や学期末公演では、照明を付け、客席を用意し、小さな劇場となり私も踊りました。普段はジョフリー・バレエ団のレッスンやリハーサルに使用され、プロフェッショナルなバレエダンサーを間近で見られる刺激的な空間でした。

高くそびえるジョフリータワー。3階と4階にスタジオがあります。
照明や小道具を駆使し、スタジオが舞台のような空間に。学生公演『シンデレラ』の一場面。
ジョフリーアカデミー時代の仲間と共に、学生公演『くるみ割り人形』を踊った時。

カデミーを一歩出ると、シカゴの街中には、いくつものパブリックアートが点在していました。学校とミシガン湖の間のミレニアムパークには、鏡のような表面にシカゴの街や青い空が映る巨大なオブジェ、クラウドゲート。昼と夜、天気によっても表情を変える銀色のオブジェは、何度訪れても、毎回新しいシカゴを見せてくれました。
また、ビル街に突如現れる見上げるほど大きな彫像フラミンゴ。手紙好きな私は、慣れない英語にドキドキしながら郵便局へ行き、切手を買い、日本へ手紙を出しました。郵便局の横に居るフラミンゴの力強い赤色に、いつもパワーをもらいました。
ほかにも、ピカソによる無題の彫刻作品、ポーランドの女性彫刻家アバカノヴィッツによるアゴラなど、アートをじっくり見てまわるだけで何日も楽しめます。
シカゴで私が最初に目にした、忘れられない彫刻は、初めて滞在したコングレスホテル前、交差点にある妖精の彫刻です。空を見上げ、軽やかに翼を広げ、力強く立っていました。紹介プレートは無く、密かに踊りの女神さまと呼んでいました。

銀色のクラウドゲート。シカゴの街並みがユニークに映りこみます。
パワーをもらっていた真っ赤な彫刻フラミンゴの前で、ポーズ!  
道のど真ん中にこんな素敵な像があるなんて、アートが身近に溢れる街シカゴ。
冬にはクリスマスマーケットも開かれるリチャード・ J・デイリーセンター前の広場には、ピカソのパブリックアートが。市民の憩いの場となっています。
芝生に突如現れる 106体もの彫刻アゴラ。並んでみると、かなり大きい!  

カゴで、バレエやダンスのレッスンに追われた初の海外での暮らし。こうして今、写真を見て振り返ると、街の色や形、質感、そこで出会ったアートや人々、空気感にもたくさんの刺激をもらい、今の私があります。さまざまな思いがよみがえる街シカゴ、必ずまた訪れたい街です。

文・写真
福田智子  Satoko Fukuda
福岡生まれ。ソレイヤジェインズインターナショナルバレエスクールにてクラシックバレエを始める。2013年より英国、ランベールスクールオブバレエ&コンテンポラリーダンスにて学びを深める。卒業後はイギリスを拠点に、ニューヨーク、韓国、フランスでもコンテンポラリーダンスを踊る。
Instagram @satokofukuda_dance @dancersnetwork_jp
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