デンマークでの出会い
今まで訪れた素敵な場所の写真を見ると、その時の空気感、その場のエネルギーが蘇ります。今回は、澄んだ空気に洗練された空間が印象的だった、デンマークのコペンハーゲンを振り返ります。
まだ空気が冷たい2020年初め。デンマークらしいカラフルな建物が見えるコペンハーゲンの港町ニューハウン。童話作家アンデルセンも暮らしたメルヘンチックな建物の辺りは、今ではカフェなどが立ち並び、外でのんびりコーヒーを楽しむ人も。
デンマークといえばデニッシュ! 本国ではデニッシュではなく、ヴィーナブレズというそうです。私はカニールスナイルというお馴染みシナモンを折り込んだ渦巻きパンをチョイス。シナモンの香りが口いっぱいに広がり、優しい甘さ。コーヒーはTHE COFFEE COLLECTIVEで購入。価格は40デンマーククローネ(日本円で約630円!)。お値段は張りますが、デニッシュのシナモンと美味しいコーヒーがマッチして幸せな気持ちに。
港町ニューハウン近くでは、2016年にできた歩行者や自転車用の橋、インナーハーバーブリッジを渡り、モダンな建物や景色を楽しめます。英国やフランスのように、古くからの建物が残るエリアもあれば、対照的にモダンで新しい場所もありました。
次はコペンハーゲン国立美術館。美しい外観にワクワクしながら中へ。受付で、どこから来たの? と聞かれ、日本! と答えると「初めまして。ようこそ!」まさかの日本語! 山梨へ留学していたサラさんが、一緒にラーメンを食べに行こうと素敵なお誘い。館内では、風景画から宮廷の肖像画、現代アートまで、さまざまなアートを鑑賞できました。
実はこの旅の目的はダンスカンパニーのオーディション。オペラハウスの中にあるスタジオで、20人ほどのダンサーとまずはクラシックバレエのクラス。その後、コンテンポラリーダンスの振付を芸術監督直々に教えられ、審査されました。最後にソロを披露したい人はどうぞ、と言われ、私はインプロビゼーション(即興)を踊りました。このカンパニーとはご縁はなかったのですが、イタリア、オランダ、スペイン各国のダンサー達と仲良くなれました。世界のダンサーと繋がれるのも、オーディションの醍醐味! そこで出逢えたダンサーとは今でも連絡をとります。美術館で出会った素敵な友人とデンマークでラーメンを堪能し、海外のダンサー仲間に出会う。寒いコペンハーゲンでも、温かい出会いに恵まれた旅でした。
文・写真
福田智子 Satoko Fukuda
福岡生まれ。ソレイヤジェインズインターナショナルバレエスクールにてクラシックバレエを始める。2013年より英国、ランベールスクールオブバレエ&コンテンポラリーダンスにて学びを深める。卒業後はイギリスを拠点に、ニューヨーク、韓国、フランスでもコンテンポラリーダンスを踊る。
Instagram @satokofukuda_dance @dancersnetwork_jp
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