人と人が繋がるカフェ サウスストリート
ロンドン西部にあるアイズルワース。ダンス学校時代から、私にとってイギリスでの地元であり、思い出の詰まったエリアです。アイズルワース駅からH37の赤いバスに乗り、ダンス学校へと向かう途中のサウスストリート。そこに、黄緑色の看板が目印のカフェ South Streetがあります。学校が終わる3時頃には、子供連れのママたちの憩いの場となります。
可愛いアイスクリームの形をしたドアノブを引き店内に入ると、おいしそうなケーキの香りが漂います。カラフルなジェラート、棚にはかわいい雑貨やカード。人々が集まる場所を作りたい、というオーナーの思いから始まった、このカフェの魅力に迫りました。
今回は、お店で働いている、とってもチャーミングなJanine Cording(以下、ジェニーン)さんにお話を伺いました。このカフェは6年前にRowan Joyce(以下、ローウェン)さんがオープン。今では、ローウェンさんの息子Tomさんもカフェに携わり、近くの工場でジェラートを作っているそうです。ジェラートはバニラ味などの定番から、週替わりの味も。レジ横にはスコーンやブラウニー、ベリーケーキなどが並び、コーヒーや紅茶も楽しめます。
ジェニーンさんに、サウスストリートで働いて嬉しいことは? と尋ねたら、「このカフェを通してみんながハッピーになってくれることが一番嬉しい」と笑顔で教えてくれました。
アイズルワースには何か足りない、人と人が出会えるコミュニティを作りたい、というローウェンさんの思いから、今では、地元のお店がフードやドリンクを出せる「アイズルワースマーケット」を定期開催。カフェでのアートクラブやブッククラブ、編み物のニッティングサークルや、メディテーションサークルも行い、店内では地元アーティストの絵や写真も見ることができます。
「このカフェでは、3・4台の大きなテーブルを置いて、知らない人同士がテーブルをシェアできるようにしているの。そしたらお互いに会話が始まるでしょう?」とローウェンさん。この心地よい距離感も、カフェ・サウスストリートの魅力だと感じました。
春になり温かくなると、店の前にある、黄緑色のテラス席でママ友たちはおしゃべりをし、子どもたちは隣の広場で遊ぶのを楽しみに、サウスストリートを訪れます。地元民から愛され、人と人とが繋がってゆく。サウスストリートは、そんな温かい場所です。
文・写真
福田智子 Satoko Fukuda
福岡生まれ。ソレイヤジェインズインターナショナルバレエスクールにてクラシックバレエを始める。2013年より英国、ランベールスクールオブバレエ&コンテンポラリーダンスにて学びを深める。卒業後はイギリスを拠点に、ニューヨーク、韓国、フランスでもコンテンポラリーダンスを踊る。
Instagram @satokofukuda_dance @dancersnetwork_jp
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