毎年ミラノで開かれているHOMI(ホーミ)は、ミラノサローネと違ってほぼ一般客がいないプロ向けの展示会。現代生活のニーズにマッチしたオブジェや什器など、インテリアの主に装飾に特化した見本市です。今年は時期を1月から3月に移行してスペシャルエディションと銘打って開催され、352ブランド、うち40%が海外27カ国から出展し、好評のうちに閉幕しました。
HOMI展示会場の様子。
例えばラファエル・ガリオットがBlimplus(ブリムプラス)のためにデザインしたキッチングッズのコレクション、Cookut(クケット)のスチールと木を組み合わせたパステルカラーの鍋、Chez-Moi(シェモア)が提案する中間色のリネンのテキスタイルなどがその代表的な例です。
イタリアの陶器メーカーRebirth(リバース)のユニークな植木鉢、Casafina(カーサフィーナ)が提案するポルトガル人職人による陶器、ミラノのデザイン陶器専門店MV% Ceramics Design(セラミックスデザイン)のハンドメイド製品など、色彩豊かな陶器もこの展覧会の主題のひとつです。
Blimplusのキッチングッズ。
Cookutのパステルカラーの鍋。
Chez-Moiのアースカラーのリネン。
Rebirthのユニークな植木鉢。
Casafinaが提案するポルトガル製コレクション。
MV% Ceramics Designのハンドメイドの陶器。
デザイン性よりも素材に着目したブランドも注目を集めています。ドイツのRemember(リメンバー)によるデザインと機能性にも優れた色とりどりのチェアやスツール、そしてイタリアのMojito Design(モヒートデザイン)によるカラフルな屋内外テーブルセットは、完全にサステナブルな素材で作られています。デザインブランドが環境に配慮することに対する重要度の高さが伺えます。
実際、このテーマへの焦点はこれまで以上に明確で、リサイクル素材の興味深い使い方や環境への配慮、そしてマウリツィオ・オリコのプロジェクトによるAiTスマートプロダクツの革新的なデジタルデスクなどのプロジェクトも注目すべき作品です。
Rememberの色彩豊かなコレクション。
Mojito Designのカラフルな屋内外テーブルセット。
AiTによるスマートワーク時代に着眼したデジタルデスク。
展示ブースでビジターと直接会話できるのも見本市ならでは。
プロダクトのパーソナルカスタマイゼーションを旗印にした今年のHOMIでは、より唯一無二のプロジェクトを模索し、流動的で現代社会のニーズに適応した展示が実現されていたように思います。
文・写真/
西村 清佳 Sayaka Nishimura
@sayakina_italy