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イタリア流、
自宅で過ごす時間を豊かにする技

2021年現在、イタリアでは2度目のロックダウンの外出規制が徐々に緩和されつつあり、ようやく街中にも少しずつ以前の賑わいが戻ってきました。
 それでも状況が好転するまで、まだまだステイホームの日常が求められています。家にずっとこもる生活は、毎日の変化がなく退屈になりがちです。その新しい生活スタイルに対応するために、どんな工夫を凝らしたらより快適に過ごすことができるか、イタリアで考えてみました。その技をインテリアからプチプラアイテムまで4つご紹介します。

 ず予算をかけずに簡単に雰囲気を一新できる技は、部屋にグリーンを置くことです。家にグリーンがあると気分が落ち着くだけでなく、ちょっとした毎日の変化を楽しむことができます。もしペットや小さなお子さんがいてグリーンを置くのが難しい場合は、手が届かない高い位置からハンギングで吊るすなどの方法もあります。初心者でもサボテンなどの多肉植物からポトスなどつる性植物まで、多種多様ある中から自分の好きな植物を探してみるのも楽しいです。

リビングはモンステラを中心にグリーンがいっぱい。
階段の手すりを利用してグリーンを絡ませている。

し予算に余裕があれば、家の中でくつろげる居心地良い空間を演出するのに、鍵となるインテリアはソファーです。こういった大型家具は置くスペースもとりますし、簡単に買い換えられるものでもありません。でも家で楽になりたい時の居場所を想定してみてください。ベッドや布団はあくまで寝るための場で、くつろげる場所はソファーなのではないでしょうか? そこはぜひ、今後への投資と思って座り心地やデザインなど納得いくものを探してみてください。

お一人様用の安楽椅子にオットマンを組み合わせるのも。
イタリアのインテリアショールームのソファー。

 らにお勧めするのは照明です。ベッドやソファー周りの明かりを暖色系の照明にしてみると、まるで居心地良いカフェにいるかのように印象が変わって落ち着いた雰囲気になります。食卓の上の照明も、シーリングよりペンダントタイプの方が、日々の料理もいっそう美味しそうに見えます。また壁に設置する明かりを間接照明にすると、壁全体でふんわりと光を放つのでお勧めです。

イタリアの照明のショールーム。
ベッドサイドランプは柔らかい暖色系を。

後は、暮らしの中の「香り」に変化をつけることです。アロマキャンドルやルームフレグランス、アロマディフューザーなど香りを扱うアイテムはさまざまある中で、例えば寝室とバスルームで違う香りのアイテムを置いてみるとか、洗濯で使う柔軟剤の香りをタオルやシーツと洋服で変えてみるなど。お気に入りの柔軟剤の香りは、洗濯物を部屋干ししている時の気分ですら一新してくれます。
 以上、イタリアから自宅で過ごす時間を豊かにする技をご紹介しました。これからも続くおうち生活が、少しでも快適で居心地の良いものになりますように。

キッチンはディフューザーとペーパータイプのお香で消臭。

 

バスルームにはすっきりしたミントの香りと柑橘系のハンドソープ。
クリスマスのテーブルセンターはアロマキャンドルとリースで飾り付け。

文・写真/

西村 清佳 Sayaka Nishimura

東京芸術大学大学院建築理論修了後、イタリア政府給費留学生として渡伊、現在トリノ在住。イベントコーディネーターとして日系企業や日本人デザイナーの見本市や展覧会をサポート、及び取材記事を執筆。私生活では1900年代建造の工場跡の1コマを購入してマイホームにリノベーションし、インスタグラムで工事の経過やイタリアのインテリアの最新トレンドを発信。
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@sayakina_italy