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イタリアの屋外空間を楽しむ秘訣!
テラスやベランダを快適に

筆者の新居。テーブルと椅子、デッキチェアにパラソルを設えてビアガーデンやバーベキューなど。 @sayakina_italy

2020年上半期は、家での過ごし方を模索する時だったことでしょう。イタリアではその後、家の屋外での快適な過ごし方に改めて焦点が当たっているように思います。日光浴が大好きなイタリア人にとって、外の空気に触れて太陽の光に当たることは健康面でも精神面でも大事なことでした。もともとレストランやバールなどで、店先の路上や広場にテラス席を出す文化が昔から根付いている国ですので、家のエクステリアを素敵な空間にするスキルにも長けています。そのノウハウのごく一部をご紹介します。

筆者のリノベ中の新居。DIYで敷き詰めたウッドデッキ。 @sayakina_italy
DIYが得意だったらホームセンターの木材とペンキで家具作りに挑戦。 @westwing.it

 
ずはテーブルと椅子。最初に居場所となるちょっとした食事や息抜き(ブレイクタイム)に使える程度の大きさのテーブルと椅子を置いてみます。邪魔になるようなら折りたたみ式を置けば良いでしょう。でもキャンプ用品ではなく、家の一部としてインテリアと同じようなテイストの素材や色で揃えたいですね。  
 次に重要なのが植栽。お隣さんとの目隠し代わりにもなるうえに、オープンエアでグリーンの存在は心が洗われます。イタリアの気候で比較的育ちやすく人気があるのはジャスミンです。つる性植物は暑い夏には自然の日よけにもなります。まずは自分の好きな植物や簡単な鉢から揃え始めてみるのも良いかもしれません。
そして日除けのシェード。直射日光を遮るためのパラソルやオーニングテントは、屋外での居場所を確保するうえでは必需品です。大きさは、影になる部分が先ほどのテーブルを覆いきれるサイズ感が良いでしょう。
 あったら良いのがランプ。これは必需品ではありませんが、もしあれば夜にテラスなどでビアガーデンと洒落込むこともできます。LED照明が便利でしょうが、灯油ランプやキャンドルは本物の炎が一段と雰囲気があって素敵です。

 照明を置いたらぐっとムーディーに。 @lauraadelefeltri
エクステリア用ソファで外の開放感と内の居心地の良さを両取り。 @westwing.it
直径 45cmぐらいの丸テーブルでも一人用スペースには十分。 @fornellifuorisede
椅子は対面式でなくても。 @iaia_stellina

後が床材。実は前述の設えをする前に最初に手を入れるべき部分ではあるのですが、「予算に余裕があってやるなら最初」「予算がなければ重要度は最後」になるのが床材です。と言うのも、床材は面積によっては値段が張ってしまうので、予算を大きく左右する部分なのです。もし余裕があるなら、インテリアとの繋がりを考えた床材や色で選ぶと良いでしょう。特に雰囲気を一新するウッドデッキは憧れです。本物の木材を使うとその後のメンテナンスが大変なので、素材はより耐久性の良い木目調の素材でも十分だと思います。

広さがあればハンモックを吊るのも素敵。 @that.ecletic.flat

後の新しいライフスタイルを考えるうえで、屋内での3密を避けるためにも、快適な屋外空間のデザインがより注目されることでしょう。ぜひ一度、「家の外」にも目を向けてみてはいかがでしょうか?

文・写真/

西村 清佳 Sayaka Nishimura

東京芸術大学大学院建築理論修了後、イタリア政府給費留学生として渡伊、現在トリノ在住。イベントコーディネーターとして日系企業や日本人デザイナーの見本市や展覧会をサポート、及び取材記事を執筆。私生活では1900年代建造の工場跡の1コマを購入してマイホームにリノベーションし、インスタグラムで工事の経過やイタリアのインテリアの最新トレンドを発信。
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@sayakina_italy